国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は29日、日本政府に対する勧告を含む最終見解を公表した。最終見解では、皇位継承における男女平等を保障するため、男系男子のみが皇位を継承することを定める皇室典範を改正するよう勧告した。
- 「家父長的な固定観念が背景に」 国連の担当委員、日本勧告を語る
- 【そもそも解説】国連女性差別撤廃委員会が8年ぶり審査 その役割は
象徴天皇制について研究する名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は、「勧告によって、議論が進むことを期待する。勧告は、長年国内での議論を先送りにしてきた結果ともいえる」と話す。
皇位継承については、憲法第1章第2条で「皇位は世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と明記されている。
皇室典範は1947年に公布された法律で、第1章第1条で「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めており、天皇には、父方が皇族の男性に限ってなれるとする。第2条には継承の順位を規定しており、天皇の長男を意味する「皇長子」を1位としている。
河西氏によると、欧州の君主…