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奈良シネマクラブの最後の会報と28年間の上映作品リスト
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 奈良市で毎月、映画を上映してきた市民サークル「奈良シネマクラブ」(喜多川邦雄代表)が18日、28年間の歴史に幕を下ろした。県内の映画ファンに良質な作品との出会いを提供してきたが、資金難や担い手不足が続き、閉会を選んだ。

奈良シネマクラブで活動した有志が来年3月21日に大和郡山市のやまと郡山城ホールで映画「福田村事件」(2023年、森達也監督)を上映する。午前10時半と午後2時の各回で1千円。問い合わせは実行委員会(0743・20・9672)へ。

 最後となった12月の上映会は17、18日にあり、学園前ホール(同市学園南3丁目)には家族連れや友人グループら百数十人が集まった。夫婦で訪れた鮫島幸治さんは2003年からのクラブ会員で、「映画館の少ない奈良で、単館系のコアな作品を上映してくれた。思い出されます」と惜しんだ。

 奈良シネマクラブは、県内で上映される機会の少ない映画をみようと市民らが1996年に結成した。会員1千円・一般1100円の料金で運営し、毎月1作品を市内の貸しホールで上映してきた。

「映画の中でいろんな国に行った」

 第1回は「ショーシャンクの空に」(94年、米国)で、今月の「グリーンブック」(2018年、米国)まで28年間の上映作品は350本を超える。日本やアジア、欧米の良作がメジャーからインディーまで並ぶ。運営委員(スタッフ)で相談し、ときに会員のリクエストを反映して選んできたという。

 第1回から通い、いまは運営…

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