衆院決算行政監視委に臨む岸田文雄首相=2024年6月17日午後1時2分、岩下毅撮影

 岸田文雄首相は17日の衆院決算行政監視委員会で、経団連が今月、選択的夫婦別姓の導入を政府に提言したことについて「重く受け止める」と述べた。導入に向けては「国会における議論の動向を注視しながら、総合的に検討する必要がある」と従来の答弁を繰り返した。

 立憲民主党の小宮山泰子議員の質問に答えた。岸田首相は経団連の提言について「ビジネス上のリスクとなりえ、企業経営の視点からも無視できない重大な課題であるというご意見があると承知している。真摯(しんし)に受け止める必要がある」と理解を示したが、具体的な導入に向けて前進するかと問われると、「国民の意見が分かれている」「家族のあり方の根幹に関わる問題だ」とも述べ、従来の答弁に終始した。

 岸田首相は「直近の世論調査を見ても、国民の意見が分かれている。夫婦同姓維持が27%、夫婦同姓を維持した上で旧姓通称使用の法制化が42. 2%。夫婦別氏導入が28.9%」と、法務省による2021年の世論調査の結果を根拠として紹介した。

 この調査では、法務省が質問…

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