堀内孝雄さん=滝沢美穂子撮影
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 年々、体は衰える。ともに歩んだ友は旅立った。つい気持ちで負けそうになる。今年75歳になる堀内孝雄も、年を重ねる不安と無縁ではいられないという。

 「悩みは尽きないし落ち込みがちなんですけど。暗い気持ちでいる時間がもったいない。歌で気分だけでも変えられたら、乗り越えられそうじゃないですか」

 4月に発売した6年ぶりのニューシングル「青二才~わが友よ」は、中高年世代の仲間を、そして自分自身を鼓舞する応援歌だ。

 《青くあれ 青くあれ 人生残り ある限り》

 不安を蹴飛ばすかのように、サビでそう繰り返す。本心ではない。やせ我慢だという。

 「おやじ、ウソつくんじゃねぇって、みんな思ってるはずなんです。だけど、あえてやるから自分にとってはギャグみたいになっている。それでいい。笑えたら、最高」

 「青二才」は、青春時代をともに駆け抜けたバンド「アリス」時代を思い起こさせるギターサウンドだ。

 《友よおまえと いつまでも》。そう歌うとき、堀内の心には、メンバーの「チンペイさん(谷村新司)とキンちゃん(矢沢透)」が浮かぶという。

 アリスは活動停止などをはさ…

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