豚骨でも、鶏ガラでも、魚介でもない。鳥取県中西部では、ラーメンの出汁(だし)に牛骨を使う店が多い。その食味は「最初はさっぱり、そしてこってり、最後が甘い」。地元では「ラーメンは牛骨が当たり前」というほどに愛されているが、その味は終戦をきっかけに広まったようだ。
「豚骨なら知ってるけど、牛骨ってなんですか?」
鳥取県観光連盟中部地区の会合で2008年、そんな声があがった。
地区の観光をどうやって盛り上げていくか話し合っていたとき、ラーメン好きのメンバーが「『なぜか、鳥取中部には牛の骨で出汁をとったラーメンが多い』と書いてあるブログがあった」と切り出した。
ほかのメンバーが、よく行くラーメン店の名をあげると、「そこも牛骨らしいですよ」。別のメンバーが好みの店の名をあげると、「そこも牛骨らしいですよ」。
「そりゃ、おもしろいですね」。とりあえず「牛骨ラーメン」と呼び名を決めて研究会を立ち上げ、翌年、「鳥取牛骨ラーメン応麺団」を結成する。
当時は、メニューや看板で「…