大谷年表を作成した司書の渡辺貴子さん。大谷選手の年間最優秀選手(MVP)を期待し、すでに「妻真美子さんと愛犬デコピンとハイタッチをして受賞を喜ぶ」と年表に書いているという=2024年11月5日、岩手県奥州市の胆沢図書館、松尾葉奈撮影

 大リーグのドジャースで活躍する大谷翔平選手の出身地に、全国のファンが訪れ、「聖地」の一つと呼ばれる図書館がある。岩手県奥州市の市立胆沢(いさわ)図書館だ。ファンのお目当ては、司書がほぼ一人でこつこつ作った「詳しすぎるもの」。市街地から離れ、田畑に囲まれたその小さな図書館を訪ねた。

 「7月5日、岩手県水沢市(現奥州市水沢)で生まれる。→体重3400グラム」。そんな「誕生」から始まる歩みは、A3サイズの厚紙にびっしりと情報が書き込まれている。読んでも読んでも終わらない。

 5日から展示されている「大谷翔平選手年表」だ。長さは計約43メートルにも及ぶ。2022年以降、シーズン終了後の11月ごろから翌春まで展示しており、3回目になる。

 作成したのは、上席主任司書の渡辺貴子さん(48)。「年表をつくるまで、全く野球に詳しくなかったんです」。そう打ち明ける渡辺さんにとって、今や「細かすぎる」年表づくりは一大プロジェクトになっている。

地元ならではの情報も 生まれた産婦人科まで

胆沢図書館で展示される大谷翔平選手に関する年表。生まれた時から細かく記されている

 きっかけは2年前、大谷選手…

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