進行した大腸がん患者では、小腸の遺伝子の働き方が健康な人と違うことを、大阪大と国立がん研究センターのグループが突き止め、米専門誌に発表した。がんの進行に小腸が関連している可能性があり、新たな治療法開発のヒントになるとグループは期待している。

 グループは、内視鏡検査を行う際に、大腸につながる小腸の末端、大腸の5カ所とがんとそのまわりの細胞を採取し、それぞれの遺伝子発現を調べた。

 大腸がんがある患者は、正常な組織でも健康な人と遺伝子発現に違いがあり、健康な状態とはいえなくなっていることが示された。

 進行した大腸がん患者では、がんから離れた小腸でも健康な人と遺伝子発現が違っていた。早期の大腸がん患者の小腸では違いはみられなかった。

 栄養を吸収する小腸は、免疫…

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