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ダイヤの乱れの復旧を待ち、コンコースの床に座り込む乗客ら=2024年7月26日午後0時37分、パリの北駅、後藤遼太撮影
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 フランスの高速鉄道(TGV)は首都パリと各地を結ぶ大動脈だ。パリ五輪の開会式が目前に迫った26日朝、「破壊行為」で列車が止まり、足止めされた人々でパリの主要駅は大混雑した。人々からは、不安や落胆の声が漏れた。

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 事件が起きた時、記者はちょうど西部ナントからパリ・モンパルナス駅へ向かうTGVに乗車中だった。列車は途中のル・マン駅で止まり、アナウンスが運行停止を告げた。乗客が次々とホームに降り、駅職員らが状況説明に追われていた。

 パリ北駅では大きなスーツケースを持った旅行客らが発着時刻の掲示板の前にあふれ、床に座り込む人の姿もあった。

 大会ボランティアのベルギー人のレジーヌ・ラベックさん(64)は、到着するはずの同僚を1時間以上待ち続けていた。「五輪という機会を利用してこのような野蛮なことをたくらむ人たちがいるのは、悲しむべきことだ」と話した。

 ラベックさんは五輪・パラリンピック期間中、約2カ月近くフランスに滞在する予定で、五輪開会式では、選手らをセーヌ川の船に誘導する役割だという。「開会式が中止になったり、競技に影響が出たりしなければいいが。よい五輪になればと願っている」と話した。

 パリでの休暇を終えてドイツ…

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