大学休みバイト中に訪れた転機　寺尾と出会いラストチャンスで角界へ

　相撲という目標を失った豊真将（現錣山親方）は、警備員やとびのバイトをしながら日々を送っていた。そんな2003年末、勤め先の建設会社にこんな依頼が入った。

　「土俵を作ってもらえませんか」

　前年の9月場所で現役を引退した元関脇寺尾の依頼だった。実兄の元関脇逆鉾の井筒部屋の「部屋付きの錣山親方」となっていた寺尾が、独立して自分の相撲部屋を持つ。その土俵を作ってほしいというのだ。

　これまでも、バイト先の社長…