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文化財の撮影などにも使われるプロ用の大判カメラを製造してきた大阪の町工場が1月末、ひっそりと廃業した。高画質化が進むデジタルカメラに市場を奪われたためだが、カメラ以外にも法隆寺(奈良県斑鳩町)にある金堂壁画の撮影用架台を製造するなど、文化財保存の現場を陰で支える存在だった。関係者からは惜しむ声が上がる。
廃業したのは、サカイマシンツール(大阪府豊中市)。「トヨ・ビュー」や「トヨ・フィールド」といった名前の大判カメラを製造してきた酒井特殊カメラ製作所の事業を引き継ぎ、社員が2002年に設立した。
最後の営業日となった1月31日。事務所と工場を兼ねる社内は静かで、あとは工作機械の撤去を待つだけとなっていた。西正浩社長(79)は「プロがフィルムを使わなくなり、じり貧になった。従業員も高齢化し、ユーザーさんに対しては申し訳ない気持ちもあるが、思い切って決断した」と語った。
大判カメラとは、かつて主流…