大みそかの夕方から翌未明にかけて、東京都内では火災が相次ぎ、計4人の死亡が確認された。空気が乾燥した状態は続くとみられ、東京消防庁は火の取り扱いに注意を呼びかけている。
同庁や警視庁によると、墨田区押上3丁目で昨年12月31日午後5時ごろ、「煙が出ている」と110番通報があった。平屋の木造住宅付近から出火し、3棟の全焼を含む計10棟に燃え広がったという。
平屋の住宅内からは2人の遺体が見つかった。住人の80代の男性と、住宅内にいたとみられる60代の女性と連絡がとれていないといい、向島署などが身元の確認と火元の特定を進めている。
同日午後8時50分ごろには、江東区北砂2丁目の2階建て住宅から出火し、全焼した。住宅内にいた80代前後の女性が搬送先の病院で死亡し、城東署は住人が亡くなった可能性があると見ている。
足立、江戸川の両区にある集合住宅でそれぞれ1室が燃える火事もあった。10代~80代の男女5人が搬送されたが、いずれも搬送時に意識はあったという。
また、今年1月1日午前0時40分ごろには、板橋区大原町のマンションの1室で火事があった。住人とみられる60代女性が搬送されたが、約1時間後に病院で死亡した。
30日にも2人が死亡
都内では30日にも江戸川区や西東京市、青梅市で計3件の火災が起き、少なくとも2人が死亡し、1人がけがをしている。
年明けも火災に注意
東京消防庁によると、空気が乾燥し、火災の原因になりやすいストーブの使用機会が増えるなどして1~3月、12月に火災が特に多発する傾向があるという。対策として、火災警報器を設置する▽調理中はコンロから離れない▽ストーブの周りに物を置かない▽寝たばこをしない、などを呼びかけている。