年功序列を始めとする、メガバンクで長く続いてきた賃金や人事制度の抜本的な見直しが始まった。入社年次と給与を切り離したり、転勤制度を柔軟にしたり。行員の働きがいと働きやすさを高める動きの背景には、人材獲得競争への危機感がある。

3メガバンクの看板=東京都内

 三井住友銀行は来年1月以降、年齢が高いほど給与が上がる年功賃金の制度を廃止し、役割や成果を重視した仕組みに変える。20代でも貢献次第で役割が重くなり、年収2千万円を超えるケースもあり得るという。

 転勤制度も改め、転勤のある総合職などを対象に、転居が伴う異動の可否や勤務地を選べるようにする。転勤する従業員には追加の手当を支給するという。

 従来の銀行業界では、新卒で入行してから各地の支店を経験。年次や年齢を重ねるにつれて賃金が上がる人事制度が長く続いてきた。これを大きく見直す動きだ。

 他のメガバンクでも、みずほフィナンシャルグループは2024年度から新たな人事制度を始めた。給与体系に「役割給」を導入し、年齢や経験年数にとらわれない若手の抜擢(ばってき)を可能にした。三菱UFJ銀行は25年度に、全ての従業員が転居の可否を選べるようにし、転居を伴う異動の場合には最大180万円を支給する。

低迷した銀行人気、迫られた対策

 大手行が相次いで「働きがい…

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