(3日、春季兵庫県高校野球大会準決勝 社2―1東洋大姫路)
今春の選抜大会準優勝の報徳学園を準々決勝で破り、勢いに乗る東洋大姫路。準決勝では、この夏の兵庫大会3連覇を狙う社(やしろ)と対戦し、延長十回タイブレークの末に惜しくも敗れた。
両校の3番打者の打席が、試合の明暗を分けた。
延長タイブレークとなった十回表。1死満塁で社の3番打者、西垣琉空(りく)選手(3年)が打席に入った。
「しっかりコンパクトに振ろう」
直球を左前打にして、これが決勝点になった。「いつもタイブレークを想定した練習をしているので、自信があった」
昨年夏の甲子園にも正捕手として出場した西垣選手。試合後に「今大会で優勝して、夏の兵庫大会の3連覇しか考えていません」と気を引き締めた。
一方で延長十回裏、東洋大姫路は無死満塁の好機を作った。打席には、報徳学園との準々決勝で適時打を放った、3番打者の露本一惺(いっせい)主将(3年)。
「自分が試合を決める」。しかしスライダーをセカンドゴロにしてしまい、ダブルプレー。「『抜けろ』と願ったけれど…。悔しいです」。
近畿大会出場をかけて、5日に明石商との3位決定戦に臨む。「1点の重さを痛感した試合だった。一つ一つのプレーを大切にして、強い気持ちで3位決定戦に臨みたい」と気持ちを切り替えていた。(森直由)