年金見直し議論における基礎年金(国民年金)の底上げ策について、自民党の調査会は18日、経済が好転しないときの「リスクシナリオ」への備えとして位置づけるよう求める提言をまとめた。底上げには将来的に兆円単位で国の追加負担が見込まれるため、経済成長により年金の目減りを防げた場合に国が負担しない道を残した形だ。
厚生労働省によると、就業する人の数や賃金上昇のペースが鈍いと想定した場合、公的年金の給付水準は現在よりも2割ほど減少。特に基礎年金の減少が目立つ。そこで同省は、会社員らが入る厚生年金の積立金を使った基礎年金の目減り防止策を検討している。
対策により、現役の手取り収入に対する年金の割合「所得代替率」は、現在の61.2%から56.2%で下げ止まる。実施しない場合、50.4%まで下落する。
一方、労働参加がさらに進み、経済成長が軌道に乗った場合、底上げ策を実施せずとも、所得代替率は59.3%にとどまるとの試算もある。基礎年金の半分は国が負担するため、底上げ策の実施には兆円単位の国庫負担が必要だ。
「安定財源を確保すべき」だと明記
自民調査会は「(底上げ策は…