【愛媛】観光列車「坊っちゃん列車」の運行を支援するかどうかの参考にするため、松山市が3千人規模のアンケートを行うことになった。野志克仁市長が14日の定例会見で明らかにし、「検討結果を踏まえ、市の支援について私が判断し、議会に提案したい」と述べた。
対象は18歳以上で、市内在住の2千人には郵送で、県外在住者1千人にはインターネットの活用を検討する。開始時期は未定だが、9月末をめどに委託事業者から結果報告を受ける予定という。
市は坊っちゃん列車が運休中だった昨年末からSNSのLINEでアンケートを実施した。1万693人が回答したが、民意の把握の手法の妥当性について批判もあがっていた。
坊っちゃん列車は小型SLをかたどったディーゼル機関車で、松山市中心部と道後温泉を結んでいる。運転士不足や累積赤字を理由に、昨年11月にいったん運休し、今年3月に再開。伊予鉄は市に支援を求めている。
市は支援のために、返礼品なしでのクラウドファンディング(CF)を設定。目標額を2500万円にして6月17日まで募集しているが、今月14日午後3時時点の寄付額は約186万円、達成率は7.4%にとどまっている。
募集終了までは30日余り。野志市長は「多くの方に寄付をいただけるよう周知に努めたい」。市観光・国際交流課は今回のアンケートの結果を受けて、「年内にもう一度、CFをできるか方向性を決めたい」としている。
野志市長はまた、市や伊予鉄、経済界などでつくる「坊っちゃん列車を考える会」の3回目会合の開催の検討も明言。このほか、「伊予鉄とは運行継続に向けて、維持管理費などの課題、考える会で提案された乗車率の向上などを含む収支改善の方策を協議している」とも明らかにした。(神谷毅)