被災直後の写真を見ながら母裕美さん(手前)から当時の様子を聞く樺沢あいらさん=2024年10月14日午後4時7分、新潟県長岡市山古志竹沢の「やまこし復興交流館おらたる」 最大震度7を記録した新潟県中越地震。その発生翌日の2004年10月24日未明、被災地で一つの命が生まれた。それから20年。復旧した長岡市山古志地区(旧山古志村)で育ち、大人になった子はいま、地元への思いとともに生きている。 長岡市の専門学校生樺沢あいらさん(19)。中越地震の発生から約9時間後、余震が続く近隣の町の病院で生まれた。父の地元が山古志で、自宅もそこに構えていた。「みんなに愛されるあいらしい子に育って」との願いから「あいら」と名付けられた。 樺沢さんに被災の記憶はない…