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町野小学校の授業が再開し、バスを降りて隣町の柳田小学校に向かう児童ら=2024年10月1日午前8時8分、石川県能登町、金居達朗撮影

 能登北部を先月21日に襲った大雨で休校が続いていた石川県輪島市町野町の小中学校2校の子どもたちが1日、隣町の学校に通い始めた。浸水で自校での再開が見通せないためだ。1月の能登半島地震で家族と離れ、約100キロ南に集団避難した子どももおり、被災でまなびやを転々とする事態になっている。

 対象は、輪島市立の町野小(20人)と東陽中(10人)の児童・生徒。近くの川が氾濫(はんらん)し、両校は床上浸水。給食提供の見通しも立たず、約7キロ離れた能登町立柳田小、柳田中に通うことになった。

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小学校の授業が再開し、隣町の小学校に向かうためにバスを待つ児童ら=2024年10月1日午前7時34分、石川県輪島市町野町、金居達朗撮影

 朝7時半。妹2人とスクールバスに乗り込んだ東陽中3年の細谷(ほそたに)結珠(ゆみ)さん(14)は地震後、家族から離れて同県白山市に集団避難した。「今回は自宅から通えるので(地震後よりは)いいかな。新しい人と出会えるのが楽しみ」と前を向く。母の智恵子さん(51)は「休校もあり、勉強のペースが心配だけど、通えるだけでありがたい」と話す。

 町野小5年の阿知夏妃さん(…

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