映画をPRするラッピング電車の前でポーズをとる吉田友一さん

 地球の平和を守っていた男が、過疎地を舞台に人口減少と戦っている。

 2004年から放送された特撮テレビドラマ「特捜戦隊デカレンジャー」(テレビ朝日系)。そこで宇宙の犯罪を取り締まるデカブレイク役を務めた吉田友一さん(41)が高知市の地域おこし協力隊員に転身し、奮闘している。

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 子どもたちの人気者になった後、テレビドラマや舞台で活躍した。

 しかし、芸能生活が順調に進むかと思った20代後半に転機が訪れた。

 東京での多忙な日々とプレッシャーから顔面神経まひに。半年で寛解したが、「生き方を見つめ直したい」と思い直し、大学へ通って鍼灸(しんきゅう)師の国家資格を取得した。

 高知市に移住したのは、「社会的処方」を研究した島根大大学院医学系研究科の恩師が、クリニックの院長を務めていたのが縁だ。ヒーローショーでしか訪れたことのない町だった。

 2年前、地域おこし協力隊員となり、坂本龍馬像のある桂浜を含む約5千世帯の漁師町の活性化を担当した。

 30年で人口が3割ほど減った地域社会の現実に直面し、何ができるかと悩んだ。

 今月、アイデアの一つが大きな形になった。テレビ放送20周年を記念した映画「デカレンジャー」の全国公開だ。

 かつての経験や人脈を生かし、約1年かけて高知ロケを実現させた。クラウドファンディングでは目標の約7倍にあたる2千万円を集めた。

 自身もデカブレイク役で出演するだけでなく、アソシエイトプロデューサーとして企画会議にも参加。高知ロケでは、70人ほどの出演者やスタッフを率いて撮影に臨んだ。

デカピンク役で妻も出演、ともに広告塔に

 映画には、高知城やはりまや…

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