深い深い地面の下、天然ガスの製造現場では、微生物が「飲みニケーション」をしているのかもしれない。海洋研究開発機構(JAMSTEC)や産業技術総合研究所(産総研)などのチームは、2種類の微生物がアルコールの一種メタノールを介して天然ガスの主成分メタンをつくっていることを明らかにし、発表した。

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ビアガーデンでの飲み会の様子

 光も酸素も届かない地下深くは厳しい環境だが、多くの微生物がくらすことが近年、掘削調査などでわかってきている。チームは中でも、特に油田や炭田など有機物が多い環境で広く見つかり、メタノールなどからメタンをつくる「メチル利用アーキア」(アーキアは古細菌)に注目した。エネルギー源にもなるメタンができる過程は重要だが、原料となるメタノールがどこからやってくるのか、わかっていなかったためだ。

 メタノールをつくる別の微生物がいるのではないか。チームは、地下の油田からみつかったバクテリアの一種と、メチル利用アーキアを一緒に培養。バクテリアがつくったメタノールを、アーキアがメタンに変えていることを明らかにした。

生きものにとって「毒」のメタノール

 メタノールをつくるバクテリ…

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