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国際司法裁判所(ICJ)の所長に選ばれた岩沢雄司氏=2024年10月3日、オランダ・ハーグ、森岡みづほ撮影

 国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は3日、ICJの岩沢雄司裁判官が所長に選任されたと発表した。日本人がICJ所長を務めるのは、元外務事務次官で皇后雅子さまの父親の小和田恒氏(2009~12年)以来2人目。

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 岩沢氏は1954年生まれ。東京大法学部教授や国連の自由権規約委員長などを歴任した。2018年からICJの裁判官を務める。

 1945年に設立されたICJは国連の主要な司法機関で、国家間の紛争の解決が任務。世界各地出身の15人の裁判官で構成され、近年はパレスチナ自治区ガザでの戦闘やロシアのウクライナ侵攻をめぐる提訴があり、審理が続く。一方、同じく日本人の赤根智子氏が所長を務める国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は、戦争犯罪などに関わった「個人」を裁く。

 ICJのサラム前所長の任期は2027年2月までだったが、母国レバノンの新首相に就任するため、今年1月に辞任していた。日本外務省によると、岩沢氏の任期も27年2月まで(再選可)。

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