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岩沢雄司氏(左)と赤根智子氏

 国際司法裁判所(ICJ)の所長に岩沢雄司氏が選任されたことで、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長に加え、国際司法にかかわる主要な二つの機関でともに、日本人がトップを務めることになる。これは、日本が「法の支配」の擁護者として世界でどう振る舞うかと無関係ではない。

  • 国際司法裁判所長に岩沢雄司氏を選出、日本人の所長は2人目

 国際法違反の軍事侵攻に踏み切ったロシア、パレスチナ自治区ガザの破壊に突き進んだイスラエル。こうした国際法無視を決め込む国々に、これまで「法の支配」を説き、国際秩序を牽引(けんいん)してきたはずの米国までが、平然と擦り寄り、目先の自国の利益を最優先して同盟国や隣国に「ゆすり外交」を展開する――。国際秩序が崩壊の危機に直面するなかで、二つの国際司法を担う機関のトップとして、いずれも日本人が差配を振るう意味を考えてみたい。

誕生の背景に日本外交への信頼感

 赤根、岩沢両氏がそれぞれ所…

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