遼寧、山東の両空母が加わる初の演習として中国軍が2024年11月に公開した写真=中国国防省ホームページから

 中国の国防予算が膨らみ続ける中、中国政府は5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に提出する2025年の国防予算案について、3年連続で7・2%増とした。台湾情勢も念頭に、今世紀半ばまでの「世界一流の軍隊建設」を目標に軍備拡大を続ける構えだ。

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 この日の政府活動報告では、ウクライナ和平に向けた提案などを念頭に、外交面で「国際的な紛争の解決に建設的役割を果たした」とした。一方、「中国の一部」とする台湾については「祖国統一の大業を揺るがず進める」と改めて目標に掲げた。経済や文化交流といった融和路線にも触れたが、習近平(シーチンピン)指導部のもとで台湾への軍事的圧力は確実に強まっている。

 加速するのは、陸海空などの軍種を越えた統合運用に向けた動きだ。

進む訓練

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