【動画】防犯カメラに映る死体遺棄事件の容疑者とみられる人物=読者提供

死体遺棄容疑で送検される大木滉斗容疑者=2025年2月4日午前9時2分、大阪市中央区の大阪府警本部、伊藤進之介撮影

 大阪府東大阪市の山中などで国土交通省職員の神岡孝充さん(52)=大阪市中央区=の遺体が見つかった事件で、大阪府警は23日、神岡さんと同じマンションの住人で無職の大木滉斗(ひろと)容疑者(28)=死体遺棄容疑で逮捕=を強盗殺人容疑で再逮捕し、発表した。

 捜査1課によると、再逮捕容疑は昨年12月27日午後4時ごろ、神岡さんがマンションの自宅内から出てきたところを首を絞めて殺害し、現金約5万円やキャッシュカードを奪ったというもの。神岡さんは同日午後3時半ごろ、30分後に自宅を出ると妻に連絡していたという。

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 大木容疑者は複数の金融機関から計約200万円の借金があったという。府警は生活に困窮し、借金の返済や生活費に充てるために神岡さんを襲ったとみている。

「お金なく殺すしかなかった」

 大木容疑者はこれまでの調べに「お金がないので殺すしかなかった」などと供述し、遺体は神岡さん宅で損壊してポリ袋に入れて、キャリーバッグで遺棄現場まで運んだと説明。再逮捕後は「黙秘します」と述べているという。

 損壊に使ったという果物ナイフ(刃渡り約13センチ)は大木容疑者の供述に基づく捜索で、大阪市中央区の道頓堀川の川底で見つかった。

 大阪市生野区や京都市のコンビニエンスストアでは事件後、大木容疑者と似た人物が神岡さん名義のキャッシュカードで現金を引き出す姿が防犯カメラに映っていた。

 神岡さんは2022年から「航空保安大学校」(大阪府泉佐野市)の会計課長を務めていたが、大木容疑者との面識やトラブルは確認されていないという。府警は神岡さんが狙われたいきさつを詳しく調べている。

 神岡さんは昨年12月27日の在宅勤務後、妻に会うために海外に渡航予定だったが、連絡が取れなくなっていた。遺体は1月25日、東大阪市山手町の山中で切断された状態で見つかった。また大阪市中央区の空き家になっているマンション敷地内では大木容疑者の説明通り、頭部が見つかっていた。

 遺体発見現場の最寄り駅や大阪市内の複数の防犯カメラにはキャリーバッグを持った人物が移動する姿が映っていた。

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