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大規模停電が起こった経緯を説明する四国電力送配電の高畑浩二副社長(右)ら=2024年11月12日午後3時51分、高松市サンポート、和田翔太撮影

 四国4県で9日夜に起きた大規模停電について、四国電力送配電の高畑浩二副社長は12日、高松市で記者会見し、本州と四国を結ぶ送電線の復旧過程で関西電力送配電と調整ミスが生じ、四国内での電力供給の減少が起きたことが原因だと明らかにした。高畑氏は「人為的ミスだった」と述べ、謝罪した。

 停電は9日午後8時22分から午後9時49分にかけて四国4県で広範囲に発生し、最大36万5300戸が停電した。少なくとも徳島県の2人が自宅で転倒するなどして負傷した。

 本州と四国を結ぶ送電線は本四連系線(瀬戸大橋)で2本、阿南紀北直流幹線(徳島県―和歌山県の地下ケーブル)で2本の計2ルート4本あり、電力を融通し合っている。

 四国送配電によると、9日は2ルートでそれぞれ1本が作業停止中だった。午後2時20分ごろに本四連系線の残りの1本も事故で停止し、阿南紀北直流幹線の1本だけがつながっている不安定な状態になった。

 このため同社は急きょ、本四連系線の停止中の1本を復旧させようとした。その際、共同運用者の関西電力送配電との担当者間で作業手順に認識のズレがあったため、適切な操作を行えず、本州向きの電気の流れが急増するトラブルが生じた。その結果、電力の需要量と供給量のバランスが崩れ、非常時の機能である「周波数低下リレー」が作動し、停電が広範囲に発生したという。

 関西電力送配電も12日、「四国エリアの多くの皆さまにご迷惑をおかけしたことをおわびする」とのコメントを出した。(和田翔太)

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