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運航停止が続く中、博多港に停泊するクイーンビートル=2024年8月16日、福岡市博多区、江口悟撮影

 JR九州の子会社が、船体への浸水を報告せずに日韓両国を結ぶ高速船の運航を続けていた。船舶安全法などの法令違反を国土交通省から2年連続で認定され、17日、海上運送法に基づく安全確保命令などの行政処分を再び受けた。

 国交省から命令を受けたJR九州高速船は、JR九州の100%子会社だ。博多港と韓国・釜山港を結ぶ日韓高速船事業はもともと、国鉄民営化後、JR九州が鉄道以外の収入を得ようと、事業多角化の一環で1991年に始めた。

 本社の船舶事業部で、後に社長になる唐池恒二氏らが立ち上げ、ジェットフォイル(水中翼船)の「ビートル」が就航。当初は苦戦したが、「冬のソナタ」などの韓流ブームが追い風となり、2000年代には年間の乗客が30万人を超えた。

 2005年に分社してJR九…

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