朝日新聞西部本社は2月11日、九州で発刊して満90年を迎えました。千変万化する社会のありようは、歌手・俳優として活躍してきた美輪明宏さんの目にどのように映っていたのでしょうか。美輪さんも今年で90歳。「同級生」に話を聞きました。

 わたくしの故郷は長崎市です。丸山遊郭の入り口近くのカフェーが実家でした。(現在の)ロシアや中国、韓国から来た「女給さん」がいました。真ん前がレコード屋で、クラシック、シャンソン、タンゴ、ジャズ、日本の流行歌をのべつ流していました。アールヌーボーやアールデコの様式の建物が並んで、文化も街並みも国際色豊かというかごちゃまぜ。でもロマンチックで。あの町で生まれていなかったら音楽で身を立てることもなかったでしょう。

 戦争、原爆で長崎の多くの美…

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