ミュージカル「9to5」に出演する和希そら=滝沢美穂子撮影

 深みのある歌声、切れ味のいいダンス、哀愁を感じさせる演技。和希(かずき)そらは色濃いオーラをまとう。

 宝塚歌劇団の元男役スターが10月、ブロードウェーミュージカル「9to5」で第2幕をスタートする。今年2月の退団後初の舞台で挑むのはコメディー。「一歩踏み出す勇気をお届けできたら」と笑顔で語る。

 女性社員3人が力を合わせ、横暴な社長に反撃していく物語。和希が演じるジュディは離婚をきっかけに働き始めた新入社員だ。「夫に依存しがちだったのが、社会で学んで、友だちができて、変わっていく。人生の主軸が自分になっていくのです」

 そんな女性の成長を何曲ものナンバーで表現する。男役時代と発声の違いで苦労はないのか。

 「男役でもいろいろな声の役がありましたし、在団中に女役も何度も演じました。声色と役がつながるようにと意識しています」。そこは変わらないという。

 男役を演じていた時も「男役を作っていたというより、フラットな状態で存在していた気がします。退団して何かを変えないと、という意識はなかった。表現するものが別物という感覚はないんです」と自然体なようだ。

 ただ、フラットな感覚になる…

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