名古屋市教育委員会への金品・名簿の受け渡し問題を巡り、最終報告の会見をする調査チームの寺脇研座長(中央左)と松雄俊憲副市長(中央右)=2024年8月28日午後3時31分、名古屋市役所、浦島千佳撮影

 一日も早く信頼回復に向けて取り組んでほしい――。名古屋市教育委員会が校長らの人事に絡み推薦名簿や金品を受け取っていた問題で、第三者の調査チームは28日、再発防止策の提言を盛り込んだ最終報告書を発表した。名古屋市教委は、信頼回復への再スタートを切れるのだろうか。

  • 「人事に影響確認できず」名古屋市教委の金品受け取り、調査最終報告

 元文部科学省審議官の寺脇研氏を座長とする調査チームは、延べ276の市教委関係者や校長会など団体へのヒアリングを実施。その結果、推薦名簿や金品が人事上に与えた影響は「確認できない」とした。

 ただし、推薦名簿については「人事の参考にすること自体、大いに問題」と指摘。金品の受け取りについても「一般的な社会通念に照らして言語道断」とした。

 校長経験のある現役または退任した教育委員に人事案を事前に見せる「内覧」については、「極めて不適切で、看過できない」と言及。これらの問題を踏まえ、「人事行政の適正さに対する無神経さ、教委自身の無責任さこそが事案の本質だ」と厳しく批判した。

「その気になれば再発防止は簡単だ」

 一方で、「内覧」や金品受領の開始時期や原因について、正確に認定できない部分もあった。調査チームは、「教員同士の身内意識と同調圧力、安易な前例踏襲など複合的な要因の結果だ」とした。

 寺脇座長は会見で、今回の問…

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