写真・図版
筑波大学体育系助教の稲垣和希さん=2025年2月4日午後3時16分、茨城県つくば市の筑波大学、鹿野幹男撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 日本の中高生の部活動に、海外のように1年間に複数の競技を経験する「マルチスポーツ」の導入を求める声が高まっている。オフ期間を設け、子どもに自由な時間を確保する狙いもある。実情に詳しい筑波大学体育系助教の稲垣和希さん(34)に、背景を尋ねた。

海外ではシーズンごとに2種目

 ――海外ではどのような取り組みがありますか

 ニュージーランドでは、子どもが年間を通じて複数のスポーツ競技に取り組んでいます。部活動は2シーズン制。日本の部活動と異なり、1年間で2種目、シーズンごとに違う競技を自分で選んで楽しみます。

 ラグビーの代表チーム「オールブラックス」に多くの選手を輩出する高校の練習時間は、週5時間。シーズン制だから期間も4カ月程度と短い。

 でも、コーチングに力を入れており、練習の密度が濃い。休みが多いので自分でじっくり振り返り、次の練習に備えることができます。

 ニュージーランドだけではありません。スペインのサッカー競技関係者も「休みをしっかり取った方がプラスになる」と話していました。海外のスポーツ指導者に「日本では週5日の練習が当たり前」と言うと驚かれます。「それじゃ、子どもたちがみんなやめてしまう」と。

子どもの自己決定に基づくのか疑問

 ――日本の部活動の問題点は…

共有