10年ぶりの本格発掘で耳目を集める佐賀県の吉野ケ里遺跡。弥生時代を代表するこの大環濠(かんごう)集落で、青銅器の石製鋳型が新たに複数見つかった。異なる石材が混在し、朝鮮半島とのつながりをみる解釈も出ている。
佐賀県は一昨年、手つかずだった「謎のエリア」の調査に着手。話題を呼んだ石棺墓のすぐ近くで昨年、石製鋳型3点が出土した。中期前半の古い段階で、剣と矛の形が裏表に彫り込まれた鋳型などがあった。
興味深いのは蛇紋岩や角閃石(かくせんせき)岩など複数の石材が交じることだ。北部九州で見つかる鋳型は福岡県南部でとれる石英斑岩製が一般的。蛇紋岩や角閃石岩は珍しく、その質感は弥生文化のルーツとなった朝鮮半島の滑石鋳型に近いという。
2月に現地であった報告会で…