海底ケーブルを切断した疑いで調査されるトーゴ船籍の貨物船(右奥)=台湾の海巡署提供

 台湾の海巡署(海上保安庁に相当)は25日、中国人船員が乗ったトーゴ船籍の貨物船が海底ケーブルを切断した疑いがあるとして、船を拿捕(だほ)し、中国人の乗組員8人を拘束した。海巡署が明らかにした。ケーブル切断が中国による故意の行為である可能性を「排除しない」としている。

 海巡署によると、25日午前3時ごろ、台湾本島と離島の澎湖諸島をつなぐ海底ケーブルが切れたと通信事業者から通報を受けた。海巡署はこれより前、すでにケーブルが切れた場所の近くの海域でこの貨物船がいかりをおろして停留しているのを確認。海巡署船が貨物船に呼びかけて航行させたが、通報を受けて台南に入港させた。

 海巡署は海底ケーブルの損傷について「故意によるものか事故によるものかについてはさらに調査する必要がある」と説明。一方で貨物船が中国資本と関係があり、8人の乗組員はいずれも中国籍であることから、中国側の関与も否定できないとしている。検察当局が船や乗組員を捜査しているという。

 台湾の海底ケーブルをめぐっては、1月にも中国人乗組員の乗った船によって損傷した疑いのある事案が起きたと、海巡署が発表していた。

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