台湾の頼清徳(ライチントー)総統は就任後初めての外遊で「経由地」として米国に立ち寄った。トランプ次期大統領は中国への対抗を打ち出す一方、台湾をめぐる対応には不透明さも強い。頼政権は関係構築を急ぐ構えだ。
台湾総統府によると、米ハワイに滞在していた頼氏は1日(日本時間2日)、米国のペロシ元下院議長と約20分にわたって電話で協議した。ペロシ氏は米民主党の重鎮で、2022年8月には下院議長として25年ぶりに台湾を訪問した。
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総統府関係者は、頼氏がこの日、ほかにも米側の複数人と電話したとも明かした。「党派を問わず台湾への支持を表明した」とも強調。頼氏が共和党のトランプ次期政権との関係づくりを模索している様子もにじむ。
頼政権は米国の政権交代が決まった大統領選以来、米国の「党派を超えた台湾支持」を強調してきた。裏返しに透けるのは、トランプ次期政権に対する不安でもある。
対中強硬派の顔ぶれが並ぶトランプ次期政権。台湾の頼政権を不安にさせるのは、どのような事情があるのでしょうか。記事後半で、米国と台湾の専門家の見方を紹介します。
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