1月18日から始まる大学入学共通テストまであとわずか。息抜きを兼ねて、「お守り」や験担ぎのグッズを手に入れたり、神社などで合格祈願をしたりする受験生も多いでしょう。定番から変わり種まで、縁起の良い場所や物をご紹介します。
鉄道各社はこの時期、験担ぎのキップを発売している。
その名も「合格」駅がある静岡県の大井川鉄道。合格駅のキーホルダーや、「門出」駅との入場券乗車券セットなどをオンラインショップ(https://daitetsu.myshopify.com/)や沿線の売店で販売。1月10日からは、SLに合格祈願のヘッドマークを装着し、「合格祈願号」として運転するという。
神奈川県を走る相模鉄道は、「ゆめが丘駅」と「希望ケ丘駅」にちなんで「ゆめきぼ切符」を販売。山梨県のゴルフ場にある、いやでも「入ってしまう」バンカーの砂を小瓶に詰めた「バンカーお守り」もある。
落ちない、滑らない…あんなものでも験担ぎ
JR四国は徳島線の「学(がく)駅」にちなんだ合格祈願きっぷを販売。岡山県の「津山まなびの鉄道館」は、扇形絵馬を買った人に「すべり止めの砂」をプレゼントしている。
冬に枯れた葉が枝に残り、雪の重さにも耐えて落ちないヤマコウバシも、験担ぎにはもってこい。三重県いなべ市の藤原岳自然科学館は、その葉っぱをあしらった「幸運しおり 落ちない葉」を、来館者に無料配布している。
「落ちない」「滑らない」「○い」ということで、各地の自治体は、マンホールをかたどった「お守り」をプレゼントしている。国土交通省は公式サイト(https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000535.html)に、配布する自治体や問い合わせ先などの一覧を載せている。
合格祈願は天満宮、文殊様も人気
合格祈願と言えば、「学問の神様」として信仰される菅原道真をまつる天満宮・天神社。北野天満宮(京都市上京区)、太宰府天満宮(福岡県太宰府市)、そして防府天満宮(山口県防府市)が日本三大天神と言われている。
東京都内には湯島天神(文京区)、亀戸天神社(江東区)、谷保天満宮(国立市)の関東三天神がある。名古屋市には名古屋三大天神(山田天満宮、上野天満宮、桜天神社)もある。
「知恵の象徴」と言われる文殊菩薩(ぼさつ)も人気だ。大聖寺(山形県高畠町)と智恩寺(京都府宮津市)、安倍文殊院(奈良県桜井市)は日本三文殊と言われ、やはり多くの受験生が訪れる。
御利益求め、鼠小僧もビリケンも
一風変わった理由で、合格祈願の受験生が訪れる場所もある。
東京都台東区の上野公園内にある顔だけの「上野大仏」は、「顔が地面にあり、これ以上落ちない」と人気だ。江戸時代に造立されたが関東大震災で首が落ち、第2次世界大戦で頭部や胴体を金属供出して顔だけになった。だが、今では「合格大仏」の異名もあり、売店ではお守りも売られている。
東京都墨田区にある回向院を訪れる受験生の目当ては、境内にある鼠(ねずみ)小僧次郎吉の墓。有名な江戸時代の盗賊は、「スルリとどこでも入った」ことや、戒名の「教覚速善居士」が「はやくよく覚える」と読めるために人気を集める。墓の前に置かれた石を削り取って、持ち帰る人が多い。
大阪のシンボル、通天閣の5階「黄金の展望台」に鎮座するタマネギ頭の福の神「ビリケン」も人気だ。足の裏をなでると、合格祈願の成就もふくめ、さまざまな御利益があるそうだ。