東京電力福島第一原発の汚染水の浄化にからむ工事を装い、三つの業者から計12億円超をだましとったとして、大阪地検特捜部は28日、会社役員、隅田繁春容疑者(64)=京都市下京区=を詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。
逮捕容疑は、2021年5月から23年5月、偽造したゼネコン2社の印鑑を使って、3業者を一次下請けとする注文書などを偽造。隅田容疑者の会社口座を経由して二次下請けへの代金を支払えば、ゼネコンからそれを上回る代金を受け取れると偽って計約12億5200万円を詐取したというもの。
関係者によると、特捜部は9月下旬、隅田容疑者が所有する沖縄県内や京都府宮津市内の別荘地などを家宅捜索していた。特捜部は、隅田容疑者がだましとった金を各地の不動産購入に充てていたとみて、さらに詳しく捜査する。