地域ブランドを保護する特許庁の「地域団体商標」に、弟子屈町の「摩周和牛」が登録されたと20日、北海道経済産業局が発表した。これで道内からは今年度6件目で、ほかの都府県を大きく上回る「登録ラッシュ」となっている。出願から足かけ8年で認められた「厚真産ハスカップ」など、粘り強く取り組んだ事例と登録が重なったためだ。

 摩周和牛は、摩周湖のふもとで育てられたもので、地元の農業協同組合などが地域ブランドとして売り出してきた。2021年8月の出願から約3年半で登録を勝ち取った。道内6件目は今年度の全国一で、2位の東京都と三重県の2件を引き離す。累計では計44件にのぼり、京都府と兵庫県に次ぐ全国3位だ。

 地域団体商標は、風土や伝統に根ざした特産物や名産品を守り、価値を高めて地域活性化につなげる狙いで06年に始まった。「地域名+商品・サービス名」の名称が一定の範囲で知られていると認定されれば登録できる。

 道内の伝統工芸品として初めて登録された「二風谷(にぶたに)イタ」と「二風谷アットゥシ」が出願した目的は、ブランド保護だった。木彫りの盆の「イタ」と樹皮を糸にして織った布の「アットゥシ」は、平取町周辺に住むアイヌの人々によって100年以上前から引き継がれてきた。

 道内唯一の「伝統的工芸品」…

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