教員南極派遣プログラムに全国で初めて校長として参加する北海道福島町立福島小学校の長浦紀華(のりか)校長(56)が今月、南極へ向けて出国した。第66次南極地域観測隊とともに観測船「しらせ」に乗り込み、28日ごろに南極の昭和基地に到着する見込みだ。子どもたちに一番伝えたいことは「夢のかなえ方」なのだという。
福島小(児童数83人)で2日、1~6年生が出席して壮行会が開かれた。長浦校長が用意した映像で、南極を目指して暴風圏を航行するしらせの船首に大波が打ち付けて砕けたり、激しく揺れる船内の食堂で隊員らが食器が落ちないように手で押さえたりする様子が流れると、子どもたちから悲鳴が上がった。
長浦校長は「先生は酔い止めの薬を毎日飲むことになりそう。でも早く南極の景色が見たいと今からワクワクしています」と語りかけた。5日に成田から飛行機で豪州へ向かい、西部の港町フリーマントルでしらせに乗り込み、9日に南極へ向けて出発した。
観測隊に同行する教員南極派遣プログラムは「国立極地研究所」(東京都立川市)が、昭和基地からの「南極授業」などを通じて南極観測の意義や魅力を子どもたちに届けることを目的に、2009年の51次隊から始めた。これまで小中高などの教員27人が派遣され、15回目となる今回は過去最多の応募者47人から長浦校長ら2人が選ばれた。校長の派遣は初めてで、派遣時の年齢も最年長だ。
長浦校長は1991年、北海…