南アフリカは、初の全人種参加の民主的な選挙の実現から30年を迎えた。アパルトヘイト(人種隔離)政策を克服した国は、いま経済低迷や高い失業率に苦しむ。初代黒人大統領のマンデラ氏が率い、絶対的な支持集めた「アフリカ民族会議」(ANC)は、若者を中心に求心力を失いつつある。

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 青空が広がる首都プレトリアで27日、民主化30年の式典が開かれた。ラマポーザ大統領は、マンデラ氏について何度も言及し、「彼(マンデラ氏)や多くの英雄、ヒロインたちが人生を捧げた民主主義の理想を達成するために、たゆまぬ努力を続ける」と誓った。

南アフリカの民主化30年を祝う式典で、歓声を上げる与党「アフリカ民族会議」(ANC)の支持者たち=2024年4月27日、プレトリア、今泉奏撮影

 30年前の総選挙では、ANCが圧勝し、マンデラ氏が大統領になった。以来、ANCが政権の座にある。だが、5月29日の総選挙で、ANCは初めて下院の議席の過半数を失う見方が強い。そうなれば、ほかの政党との連立を模索しなければならず、30年間のANCによる「単独統治」が終わることになる。

「マンデラを愛している。でも・・・・・・」

 経済低迷が続き、昨年の経済…

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