写真・図版
書類申請をほぼ署名だけで済ませる「書かない窓口」のデモンストレーションをする清水勇人さいたま市長(左)=2025年1月24日午前8時28分、さいたま市西区役所、岩堀滋撮影

 さいたま市は、各種証明書を発行する区役所で、住所や生年月日などを書かずに住民票の取得や引っ越しの手続きなどができる「書かない窓口」を導入する。まず西区役所で今月末から始め、新年度中に残る9区役所にも広げる方針だ。デジタル化の推進とともに住民と市の省力化をはかるのが目的という。

 市デジタル改革推進部によると、住民票の取得の場合、従来は申請書類に記入後、手続きに6分ほどかかっていたが、「書かない窓口」にすることで3~4分に短縮できるという。

 西区役所でこの対象になる書類は、現時点で121帳票。区民課で対応する書類が8割程度を占める。ほかの部署では、児童手当の申請や犬の登録、介護認定手続きなどが対象になる。

 手続きにはマイナンバーカードか運転免許証、または在留資格カードが必要。従来の記入式の申請も続ける。手数料はいずれも同じだ。

 さいたま市デジタル改革推進部によると、「書かない窓口」は全国の10以上の政令指定市(昨年1月時点)と埼玉県内の半数以上の自治体でそれぞれ導入されている。対象となる帳票の数はさいたま市が最多という。

 清水勇人市長は24日朝、デモンストレーションのため、西区役所の区民課を訪問。住民票の発行のほか、西区から浦和区への引っ越し手続きを試験的に体験した。

 清水市長が窓口で手続き内容を告げると、職員はマイナンバーカードを読み取り、氏名や住所などの個人情報を端末に自動的に反映させ、内容を確認して書類を印刷。カードの読み取りにやや時間がかかったものの、最後に清水市長が署名をして手続きは終わった。

 清水市長は「市民サービスの向上に加えて、職員の業務負担軽減にもつながると期待している」と話した。

共有