金沢開業10周年を迎えた北陸新幹線をバックに記念撮影する子どもたち=2025年3月16日、金沢駅、土井良典撮影

 東京から長野までつながっていた新幹線が、その先の富山や金沢まで延びてから14日で10周年、福井や敦賀に延びてから16日で1周年を迎えた。各駅で記念式典やイベントが開かれた。

 16日午前9時過ぎ、福井駅の式典で杉本達治・福井県知事は「(北陸新幹線の開業で)お店もホテルも増えた。にぎわいが次の投資を呼ぶ好循環をつくっていきたい」とあいさつ。駅周辺は「ゆるキャラ」との撮影会や試食会で盛り上がった。

 福井県敦賀市では気比神宮の門前にある神楽町1丁目商店街などで「つるが街波祭」が開かれた。歩行者天国となった道沿いには、かに汁や厚揚げ、おぼろ昆布が入っただし茶漬け、地酒の飲み比べなどのテントが並んだ。友人と新幹線に乗ってきた京都市の会社員の和間平さん(31)は「地元愛があふれる、いい町だと感じました」と話した。

 金沢駅の式典には親子連れら約50人が参加。「北陸がさらに魅力的に、行き来する人が笑顔になってほしい」と語ったJR西日本金沢支社の川村聡副支社長に続き、馳浩・石川県知事は「新幹線で交流する人、仕事も増えた。敦賀の先を何としても大阪まで乗り換えなしで、一日も早くつなぎたい」と力を込めた。

 同じころ、富山駅の式典では新田八朗・富山県知事が「開業で移住者が増えるなど大きな効果をもたらしている。富山の魅力を国内外に発信していきたい」と述べた。

 この日は富山―敦賀間で特別新幹線「みらいの北陸 ミュージアムしんかんせん」が運行された。開業年数と同じ10歳と1歳の子供たちの絵を募り、100点あまりを車両内に飾って走った。海や魚の絵を描き、特別新幹線に招かれた石川県内灘町の小学3年生・橋本文乃さんは「(新幹線と)同じ年なのはちょっとうれしい。たくさん乗りたい」と話していた。

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