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北陸電力は27日、3月末までで運転を止める予定だった富山新港火力発電所(富山県射水市)の石炭1号機について、2028年度まで運転を続けると発表した。運転50年超の旧式で温室効果ガスの排出量が多く、当初は液化天然ガス(LNG)火力に建て替えるかわりに18年度で停止する計画だった。LNG火力はすでに稼働しているが、電力需要の増加に対応するためといい、「脱炭素」の流れに逆らって、運転延長を続けている。
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石炭1号機は出力25万キロワットで1971年に完成した。発電効率が38%以下と低い旧式の「亜臨界」方式で、最新の石炭火力設備よりも温室効果ガスの排出量が多い。北陸電は同じ敷地内にLNG火力の発電施設を建て、18年から運転を始めた。その際、国に提出した環境影響評価(アセスメント)で、石炭1号機の廃止を明言。温室効果ガスの排出量が減ることなどを理由に、通常9カ月はかかる審査を約5カ月に短縮した。
環境アセス、脱石炭で課題残す
だが、北陸電は17年、電力…