北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪間の延伸計画について、与党の整備委員会(委員長・西田昌司参院議員)は20日、年内に予定していた詳細なルートの選定を見送った。3案ある京都市内のルートを2案に絞ったが、最終決定は来年以降に持ち越した。これに伴い2025年度中としていた着工時期は遅れる見通しだ。
整備委はこの日、3案の中から、現在の京都駅の地下に新駅のホームをつくり、南北の方向で乗り入れる「南北案」と、京都駅から約5キロ離れたJR桂川駅の地下に新駅をつくる「桂川案」の2案に絞った。京都駅の地下に東西方向に乗り入れる「東西案」は、地下水への影響を懸念する声が大きいとして採用しなかった。
政府・与党は2017年、敦賀から小浜市付近(福井県)を通り、京都府を南下する「小浜・京都ルート」と呼ばれる大枠のルートを決定。今年8月にその詳細ルート案を示していた。政府は延伸区間のうち、京都市内についてのみ複数の案を示しており、同市内のルートが一つに絞られれば、全体のルートが固まる構図だ。
整備委は当初、詳細なルートを年内に固めた上で、環境影響評価の手続きや、着工に必須な安定的な財源確保などの「5条件」の確認作業に入り、来年度末までに着工する計画だった。
だが、今月4日と13日にあ…