北海道は15日、コナラやミズナラなどが枯れる「ナラ枯れ」の原因となるカシノナガキクイムシの生息調査結果を公表した。昨年、道内で初めて被害が確認された道南地方の30カ所を調べ、15カ所で119匹の生息を確認。今後、被害木の調査を進める。
カシノナガキクイムシは、ナガキクイムシ科の昆虫で、成虫の大きさは約5ミリ。ミズナラなどの幹に「ナラ菌」を持ち込み、木を枯らす原因となる。もともと道内には生息していないとされていたが、2020年に初めて確認された。
23年度の調査では、道南地方の15カ所で17匹の生息を確認。周囲を調べると、松前町、福島町で、道内初となるナラ枯れの被害木が15本確認された。
ナラ枯れは本州などで被害が広がっており、23年度は44都道府県で12.1万立方メートルの被害が確認された。このうち道内は7.2立方メートルだった。
カシノナガキクイムシは、幹の中で成長し、羽化すると体に菌を付けて別の木に移り、被害を拡大させる。被害の拡大を防ぐには、枯れた木を焼却、薬剤を使って燻蒸(くんじょう)するなど適切に処置する必要があるため、道は23日に対策会議を開く。被害確認調査を進めるとともに広く情報提供を求めている。ナラ枯れの疑いがある木を見つけたら、いずれも渡島総合振興局の林務課(0138・47・9472)、西部森林室普及課(0139・42・2014)、東部森林室普及課(0138・83・7302)に連絡するよう呼びかけている。(長谷川潤)