近年、不漁が続くコウナゴについて、北海道後志総合振興局などは24日、漁期前の調査結果を発表した。島牧村と寿都町の海域での調査では過去と比べて採集できた数が少なく、漁獲量が本格的に回復する可能性は高くないとみられるという。
コウナゴはイカナゴの稚魚で、つくだ煮やしらす干しの原料などとして人気がある。ただ、近年は全国的に不漁傾向にあり、後志管内でも1950年代に1万トン超の漁獲量があったが、2023年は約100キロしかとれなかった。
今回の調査は島牧沖で4月8、15日、寿都沖で同月17日、集魚灯を使って集めたコウナゴをたも網で採集した。道立総合研究機構中央水産試験場によると、コウナゴの体長は12~16ミリ程度で、このままの水温が続けば4月26日の漁期開始には21~23ミリ前後に成長すると見込まれるという。漁獲量については「まったくとれないという状況ではないが、大漁は難しそうだ」との見通しだ。
コウナゴの不漁の原因は不明だが、海水温が高くなっていることも影響しているとみられるという。(岡田昇)