みなさん、こんにちは。北朝鮮による拉致問題をめぐる「ストックホルム合意」が発表されてから、10年が過ぎました。この合意は、残留日本人や日本人配偶者など全ての日本人に関する「包括的かつ全面的」な再調査を北朝鮮が約束した画期的な内容でした。しかし、その後も日朝交渉は停滞したままです。
ニュースレター[駒木明義と読むロシアから見える世界] 登録はこちら
ロシア情勢が専門の駒木明義論説委員が書き下ろす「駒木明義と読むロシアから見える世界」は、有料会員限定で隔週水曜にメールで配信します。
- 拉致被害者の生存情報に広がる波紋 日朝合意10年、責任問う声も
合意当時モスクワに特派員として駐在していた私は、北朝鮮をめぐって興味深い経験をしました。今回は、そのエピソードを紹介しましょう。
モスクワには北朝鮮の大使館があり、外交官や留学生の姿を見かける機会もしばしばありました。ただ、こうした人々は近寄りがたい雰囲気を漂わせており、私と言葉を交わすような機会はほとんどありませんでした。
大きく状況が変わったのが、2014年4月のことでした。
北朝鮮当局者に送った「会えないか」返信は…
その後、私と接触することに…