ウクライナ侵攻を続けるロシアに派遣された北朝鮮の兵士が、ロシア南西部のクルスク州に到着したとの報道がなされています。ロシアや北朝鮮の狙いは何なのか、兵士の派遣は戦況にどのような影響を与えるのか。ロシアの事情に詳しい韓国国防研究院の杜真浩(トゥジンホ)・国際戦略研究室長に聞きました。
――韓国政府は米国などに先駆けて、北朝鮮兵のロシア派遣について指摘してきました。
北朝鮮がロシアを助けることが、私たちにとって直接的な脅威になるからです。ロシアと北朝鮮が6月に結んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」を、私は同盟条約だと考えています。この条約に依拠して北朝鮮は兵士を派遣し、朝鮮半島有事の際にはロシアが介入できるようになる。
ロシアの軍事的な影響力が拡大すれば、(その影響の範囲は)韓国だけでなく、日本やインド太平洋地域にまで及ぶと思います。
――韓国政府やウクライナ政府は、北朝鮮兵士の派遣が1万人規模になるとみています。戦況を変える「ゲームチェンジャー」になる可能性はありますか。
この規模だと、戦略的なレベ…