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2025年1月1日、新年を迎えて平壌の金日成広場で行われた国旗掲揚式。朝鮮中央通信が伝えた=朝鮮通信
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 朝鮮中央通信は2024年末、金正恩(キムジョンウン)総書記が朝鮮労働党中央委員会の会議で、米国に対する「超強硬措置」を唱えたと伝えました。北朝鮮を長く研究し、韓国統一省事務次官も務めた金基雄(キムギウン)議員(与党・国民の力)は、25年の北朝鮮について、ロシアへの兵士派遣などで同国に対する立場を強くしたものの、中長期的には苦しい状況が続くと語ります。

 ――20日に第2期トランプ米政権が発足します。

 金正恩氏は18年6月、北朝鮮の指導者として初めて米大統領(トランプ氏)と会いましたが、19年2月のハノイ会談で決裂しました。金正恩氏は「今度は米国が譲歩する番だ」と考えています。米側が、在韓米軍の撤収や、(北朝鮮の)核保有国としての地位の獲得などにつながる譲歩をしない限り、米朝協議は進展しないかもしれません。米朝首脳会談がすぐに実現する可能性も低いと思います。

 ――北朝鮮はロシアに兵士を派遣しています。

 北朝鮮兵の立場は非常に微妙です。ロシアの軍服を着てロシア軍に編入されていますから、傭兵(ようへい)のようでもあります。傭兵なら、北朝鮮は、将来的にロシアとウクライナの停戦協定が成立しても、署名する資格はないでしょう。一方、傭兵であれば、ウクライナに投入されても構わないはずですが、ロシアだけにとどまっています。朝ロ包括的戦略パートナーシップ条約に基づいて投入しているからでしょう。

【連載】読み解く 世界の安保危機

ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ300人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

 いずれにしても、北朝鮮にと…

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