26日投開票の北九州市議選(定数57)では、市誕生直後をのぞき最多の96人が立候補した。うち35人が無所属で、うち新顔が26人だった。どんな人たちだったのか。
選挙終盤のある日。バナナの着ぐるみに身を包んだ「バナナマン」が門司区内に現れた。無所属新顔のあきたけバナナマン氏(64)だ。中年の女性たちに囲まれ、「似合ってます」などと声をかけられた。
あきたけ氏は、食品会社長・ラーメン店主を務めるかたわら、門司港の名物バナナのたたき売りをPRするキャラクター「バナナマン」の活動で知られる。
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2019年の市長選には本名の「秋武政道」で出馬し、3候補中最下位で落選したものの、2万7223票を得た。
市議選には、知名度があるというバナナマンの名前と着ぐるみで挑戦し、港湾や観光の強化を訴えた。「20年以上バナナマンとしてやってきたので、これで負けたらあきらめもつく」と話した。
小倉北区では、今回唯一の20代の候補者で無所属新顔の伊崎大義氏(29)が立候補した。福岡県立小倉高校から大阪大に進学し、新卒で関西電力に入社。「安定を捨てて、なぜギャンブルのような政治の世界に?」と問われることもあるが、政治への関心はずっと心の中にあったという。仕事を辞めて松下政経塾に入塾。人口減少や高齢化の進む北九州市をまず変えたいと立候補した。
平成を「失われた30年」と振り返られることに、平成7年生まれの身として「自分の人生を否定された気がする」と語る。「失われた時代なんて言わせない。根本から政治を変えなければ」
後ろ盾はなく、ポスター貼り…