早池峰山に設置されたセンサーカメラに映ったシカ=岩手県立博物館提供

 枝だけになったミヤマハンノキが、登山道沿いに点在していた。

 「ニホンジカの仕業です。枝をたぐりよせて、高いところにある葉も食べてしまう」。岩手県立博物館学芸員の鈴木まほろさんはそう指摘する。

 北上高地の中央に位置し、高山植物の宝庫として知られる岩手県の早池峰山(1917メートル)。8月上旬、登山道の河原の坊コース沿い(2016年から閉鎖中)の植生を調査する鈴木さんに、同行した。

早池峰山の植物 シカに食べられ、地表むき出しも

 シカの姿は見えないが、その痕跡は山中のいたるところにあった。

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