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一回表巨人1死、坂本は左越えに先制本塁打を放つ=上田潤撮影
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(10日、プロ野球 読売ジャイアンツ6―1広島東洋カープ)

 敵地での首位攻防第1戦。巨人の阿部慎之助監督が2位広島に対して勝負手を繰り出した。

 まずは打線。広島の先発・森下暢仁にチームは2021年10月から8連敗中だった。そこで、今季この右腕から打率4割4分4厘と好相性の坂本勇人を3カ月ぶりに2番で先発起用。夏場は5番や6番を務めた35歳が、いきなり期待に応えた。

 一回1死。高めの直球を左翼席へ運ぶ。ソロアーチで打線を勢いづけた背番号6は「大事な初戦で先制することが出来て良かった」。

 さらに、先発ローテーションも変えた。勝利数リーグ1位で、毎週日曜日に先発してきた菅野智之を中8日でここにぶつけた。34歳は初球から勝負球で入る徹底ぶりで5回を被安打1、無失点。57球での降板は登板間隔を詰めて終盤に臨むための布石だ。菅野は「次は中4日。カープにもあと2回投げる」と明言した。

 万全の態勢で挑んだ理由は、マツダスタジアムでの分の悪さもある。今季はここまで1勝4敗2分けだった。監督は「鬼門」と警戒していた。広島との残る5試合もすべてマツダスタジアム。だからこそ、選手の心理面も考えて、この初戦は勝ちきりたかった。

 19年のリーグMVP坂本、14、20年MVP菅野。幾多の修羅場をくぐってきたベテラン2人が底力を発揮し、快勝。それでも阿部監督は「また明日勝てるように」と淡々。すきなく、首位を堅持だ。(堤之剛)

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