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棋士編入試験第5局に臨む西山朋佳女流三冠(左)と柵木幹太四段=2025年1月22日午前9時54分、大阪府高槻市の関西将棋会館、日本将棋連盟提供
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 将棋の西山朋佳女流三冠(29)=白玲・女王・女流王将=が挑戦する棋士編入試験五番勝負の第5局が22日、大阪府高槻市の関西将棋会館で始まった。西山女流三冠はここまで2勝2敗で、この対局に勝利すれば、女性として史上初の棋士となる。

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 将棋のプロである棋士になるには、養成機関「奨励会」の三段リーグを突破しなければならない。40~45人程度が参加するリーグは年2回あり、四段に昇段して棋士になれるのは原則として上位2人だけという狭き門。26歳までに四段になれなければ原則退会という年齢制限規定もあり、昇段レースは熾烈(しれつ)を極める。

 編入試験は、この奨励会以外のルートで棋士になれる道を拓いた制度で、プロ公式戦での成績が「直近で10勝以上、勝率6割5分以上」の規定をクリアしたアマチュアや女流棋士に受験資格が与えられる。西山女流三冠は昨年7月に資格を獲得した。

 編入試験は新鋭の棋士5人が試験官を務め、挑戦者が3勝すれば合格となる。西山女流三冠の挑戦は昨年9月に始まり、ここまで4局行われて2勝2敗。決着局となる第5局の試験官は柵木(ませぎ)幹太四段(26)が務めている。

 柵木四段は午前9時44分ごろ、対局が行われる特別対局室に先に入室し、52分ごろに西山女流三冠が入室した。先手は柵木四段、後手が西山女流三冠で、振り飛車を得意とする西山女流三冠は、飛車を3筋に移動させる「三間飛車」を採用した。西山女流三冠の編入試験での2勝はいずれも三間飛車であげたもので、最も得意な戦法に本局の命運を託した。持ち時間は各3時間で、夕方の終局が見込まれる。

 午後4時をすぎ、局面は中盤から終盤戦に入ろうとしている。柵木四段はここまで巧みな駒組みを見せ、西山女流三冠は攻め駒の飛車を抑え込まれて活用が難しい状況で、やや苦戦しているように見える。互いの玉が向かい合う玉頭付近では、双方が金銀で厚みを築き、玉頭戦に突入した。

 午後5時、関西将棋会館内で検討していた勝又清和七段(55)は、柵木四段が玉頭をたたいた局面について「激戦です。正確に指せば先手が余している(微差の勝利)けど、実戦的には激戦です」と局面を評した。

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